雑音万華鏡 -Noiz-

愛してやまない音楽たちにあふれんばかりの情を込めて

Vol.21 My Life / Mr.Children (1993)

こつこつと貯めていく僕の価値。出目の大きさに左右される毎日。カードのガチャ、アンケートのガチャ、毎回10ポイント。それ以上でもなく、それ以下でもなく、昨日も今日も10ポイント。そんな些細な人生の価値。

大勝ちするわけでもなく、小さく負けるわけでもなく積まれていくポイント。それも決して悪くはない。小さなステップも明日への一歩と思えばそれほど悪い気もしないし、たとえ今日、その10ポイントを使い切ったとしても、また明日になれば補充されていく。三歩進んで二歩下がるとはよく言ったものだ。

下がり続ける日々だってないわけじゃない。緩い坂を下っていくような、なだらかな感覚。悪くない。下りが続く坂があるわけでもなし、ブラインドになったコーナーの先にあるのは平坦な道か上り坂。それは間違いない。

はて、10ポイントで満足しているのが僕の日々なのか。

たまには荒稼ぎをしてみようとは思わないか。ちょっとした冒険だ。ハイリスク・ハイリターン。そこにある崖っぷちを目隠しして歩く勇気。バランス感覚さえあればミッションコンプリート!

確かにそれも悪くはない。それでも、ハイリスク・ノーリターンの日々ならばもう既に送ってきた。どれだけのリスクを冒したとしても、手元に残るポイントと言えば結局スタート時に持たされる10ポイント。毎日はそこから始まるように出来ている。

さて今日の10ポイント。のるかそるかの勝負には挑まず、緩い上り坂を上っていく。ゴールなんてものはいつか必ずやってくる。その時、手元に残っているのはきっと10ポイント。諦めでもなく嘲笑でもなく、軽い微笑み一つ。その10ポイントを眺めては軟らかく終えるようにできているということなのだろう。それが僕の人生の基本。10ポイントの人生、今日もまた一つスタートして。

 (745字)

 

Versus

Versus