雑音万華鏡 -Noiz-

愛してやまない音楽たちにあふれんばかりの情を込めて

Vol.39 Tomorrow never knows / Mr.Children (1994)

昨日の右足、明日の左足。そして今日の身体。ボディは時と共に成長し、衰える。心はどうだ?

眠りこんだ夜、眠れない夜。迎える朝。何百何千何万の朝を愛し、やつれ、憎み、そして諦めに至る。朝は来る。

見送っていった人たち、生まれてきた子供たち。愛され、愛し、それを自分への愛と還元して生きていく。それらが奪われることの恐怖を常に抱えながら人に接していく、向き合っていく。

笑み、怒り、悲しみ。素直であることを潔しとせずに幾星霜。自分は大人と呼ばれる生き物となり十把一絡げの存在となる。それでいても一人。誰かと共有していたとしても、時の進みはそれぞれに異なる。だから最後には一人。悲しいくらいに一人。

感情の吐露はカードのジョーカー。最後の最後、最期でいい。訪れる最期はいつだ?

昨日の曇天、明日の晴天。そして今日の雨天。天は人を見下ろし、克明にその生き様を地面へと刻みつける。そして土に返ることを強いる。誰もが返るところはただの土の中。蝉が生まれるために七年耐える土の中に、人は永遠を望む。人は土から生まれたわけではないというのに、土の中から極楽浄土を夢見る。

人の生というナンセンス。偉業を成し遂げ賞賛されつつ死ぬか、ただの人として死ぬか。いずれにせよ一人。やはり一人。返る場所はやはり土の中。

昨日の右足、明日の左足。踏みしめるは土。やがて死に行くことのメタファー。気付かずに人は歩みを進め生きていく。明日がどのような日であるかを知らずに。今日がどのような日であるかも知らずに。

(630字)

 

Mr.Children 1992-1995

Mr.Children 1992-1995