雑音万華鏡 -Noiz-

愛してやまない音楽たちにあふれんばかりの情を込めて

Vol.40 RUN / B'z (1992)

日々という道は続いていく。生まれてきてから毎日踏み固めてきた、人生という形のない動力に背中を押されて、また明日も自分の人生を踏み固める。一定ではないその力に体力も気力も左右されながら、日々を重ねて進む。

逆Y字の三叉路。あの人とこの人の日々が交わるポイントが訪れる。ポイントは次々と現われ、やがて多くの人と交わり、次の別れの三叉路まで時を共にすることもある。それは人生の情報交換。人は人を揺り動かす。動かし動かされ、それは自分の糧となる。時には毒となる。

全ては出会いがなければ分からない、求め続けるクエスト。人は化学反応を求めて出会いを求める。一人では生きてはいけない。誰かが誰かを見つけるように仕掛けられている天から与えられた命題。偶然の出会いも、必然の出会いも、全ては各々の道の上に仕掛けられたイージーなトラップ。友情の出会い、恋愛の出会い、仕事での出会い。永遠に続くことは希有なこと。それでも続いて行くというのであれば、それは望まれた出会い。日々はあなたを祝福した。

望まれない出会いと訣別は一瞬のつまずき。それでも日々は止まらずに進む。出会いと別れは、天によって振られる賽の出目。その目に特別なものなど何もなく、喜び、諦め、そして中庸に落ち着く。全ては各々に与えられたバランス。保ちながら、崩しながら、出会えたことのありがたみを噛み締める。別れの苦しみに心かき乱される。

日々という道は続いていく。また明日訪れるかもしれない出会い。次に訪れるかもしれない別れ。清濁併せ呑み、やがてより分けられていく。自分の意思で、かの意思で。その力の前には人は無力。来る者を拒まず、去る者を追わず。円の中心に立ち、周囲を見回せ。最後に残るのは自分一人のみだとしても、そこに誰かがいたプロットが残っている。それを糧にして生き抜け。また次の出会いがあると信じ、日々を踏み固めろ。

RUN

RUN

  • アーティスト:B’z
  • 発売日: 1992/10/28
  • メディア: CD